飲食店の社員はきついって言われるけど実際はどうなの?
飲食店の社員に興味あるんだけど、やっぱりブラック?
もくじ
本記事の内容
・残業時間が多い
・休みが取れない
・シフトが埋まらない
・アルバイトの無断欠勤、遅刻
・バックレ
・人間関係
・休みの日に連絡
・数字に追われる
・給料が少ない
・体力的にきつい
プロフィール
筆者の飲食経験
・アルバイトで4年勤務
・社員として7年勤務(ほとんど店長)
・オープンから2年赤字だった店舗を赴任して2ヵ月で黒字化
・月売上1,200万円と800万円の2店舗を店長兼任
・現在の職場では史上最速3ヵ月で店長に昇進
・「アパレルメーカー→飲食→IT→飲食」と転職を3回経験
飲食店といえば3k(汚い、きつい、危険)と良く言われますよね。
今回は「きつい」に焦点を当てて、具体的にどんなところがきついのか解説していきます。
これから飲食店の社員を目指す人は是非参考にしてください。
店長経験7年のなかで、実際にきつかったこと10選をまとめました。
①残業時間が多い
まずはこれですね。
平均残業時間ランキングを見てみましょう。
2位の調理/ホールスタッフ/フロアスタッフの2021年1月のデータでは14.4時間とあります。
2020年2月と比較すると9.4時間も減っています。
コロナ禍で時短営業や休業が増えたことが要因ですね。
それにしても思ったより少なかったのではないでしょうか?
僕が初めて飲食店の社員になった時は時間外労働80時間越えとかザラでした。
毎日毎日朝から深夜まで働いて、
これが飲食店の社員か…。ブラックハンパねえ。。
と洗礼を受けたのを覚えてます。
その後法改正されて、基本45時間以内には収まるようにはなりました。
時間外労働45時間を1年で7回以上取ると会社が罰せられるので、多少無理やりにでも休ませられます。
残業時間に関してはその店舗の人員状況によりますね。
人が揃っているならいいんですが、足りないとまじで地獄です。。
自分が入って店舗を回すしかなくなると他の業務もできなくなるし、どんどん目が死んでいきます笑
実際サービス残業はある?
「サービス残業をしろ!」ってところは今の時代なかなかないと思います。
大手の会社ほどサービス残業を禁止しています。
しかし残業時間がかさむと上司に小言を言われるので、勤怠を切ってから働く人はやっぱりいます。
自分も昔はしていました。
けどある時、「いや働いてるのにおかしくね?」と感じてからは一切していません。
理由があって働くのなら、ちゃんとしてる会社なら認めてくれます。
サービス残業を勧めるような会社なら即刻辞めるべきです。
働いた分はキッチリ貰ってください。
昔に比べると法整備もあってマシにはなってるんだな。
②休みが取れない
まずは業種ごとの年間休日の平均日数を見てみましょう。
順位 | 業種 | 年間休日の 平均日数 |
1 | 情報通信業 | 118.8日 |
1 | 学術研究、専門・技術サービス業 | 118.8日 |
3 | 金融業、保険業 | 118.4日 |
4 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 116.8日 |
5 | 教育、学習支援業 | 112.7日 |
6 | 製造業 | 111.4日 |
7 | 複合サービス事業 | 110.4日 |
8 | 不動産業、物品賃貸業 | 109.6日 |
9 | 医療、福祉 | 109.4日 |
10 | サービス業(他に分類されないもの) | 109.0日 |
11 | 卸売業、小売業 | 105.7日 |
12 | 生活関連サービス業、娯楽業 | 104.6日 |
13 | 建設業 | 104.0日 |
14 | 鉱業、採石業、砂利採取業 | 103.8日 |
15 | 運輸業、郵便業 | 100.3日 |
16 | 宿泊業、飲食サービス業 | 97.1日 |
はい。
皆さんの予想通り最下位ですね。
どうしても飲食業は人手不足になりがちで、休みもなかなか取れないところが多いです。
しかし残業時間と重なるのですが、人が揃っているかどうかで大きく変わります。
人がいなければ自分が入るしかないので、できる店長はシフトを埋めることに力をいれています。
人が楽しむ時に働くのがサービス業です。なので基本土日祝は出勤が多いです。
土日休みたい人は向いていません。
しかもGW・夏休み・年末年始などは飲食店にとって繁忙期となるため、その時期は連勤になる事が多くなりがちです。
就職するなら完全週休2日制の会社がおすすめです。
加えて1店舗に社員が2人以上いる会社だと休める確率は高くなります。
週休2日制と完全週休2日制の違い
「週休2日制」の定義は、一般的には、1カ月の間に2日休みの週が少なくとも一度あり、それ以外の週は1日以上休みがあることとされています。ですから、例えばある月の1週目だけは2日間休みがあって、残りの3週は休みが1日だけだったとしても、「週休2日制」だということです。
https://doda.jp/guide/lesson/037.html
それに対して、「完全週休2日制」と言った場合は、年間を通じて毎週2日間休みがあるということになります。
簡単に言うと、
「完全週休2日制」は、必ず週2日の休みが確保されている休みの制度のことです。
「週休2日制」は月に1回以上週2日の休みが確保されている休みの制度です。
「完全週休2日制」と異なり、必ずしも毎週2日の休みがあるわけではなく、休みが1日だけという週もあります。
有給休暇は取れる?
有給休暇(年次有給休暇)とは法律で定められた全労働者に与えられた権利です。
年次有給休暇は、①6か月以上継続勤務している者であって、②その期間において全労働日の8割以上出勤したものであれば、10日の有給休暇がとれます。
でも実際取れないんじゃないの?
正直昔は全然取れていませんでしたが、法改正されてからは取得義務があります。
労働基準法第39条第7項に、有給休暇取得日数が10日以上の労働者には、基準日から1年以内に5日以上の有給休暇の取得が義務付けられています。
取らないと会社が罰せられるので、よっぽどのブラック会社でない限り最低限は取得できます。
実際僕の会社の周りの社員は、1ヶ月に1回は有給を取得しています。
休めるかどうかは店舗の状況、店長の技量で大きく変わるんだね。
③シフトが埋まらない
店長をしていて個人的に一番きついのがこれです。
ほとんどの店長がこれで悩んでいると思います。
シフトさえ埋まれば、残業も減るし休みもキッチリ取れます。
しかしどこも人手不足。。
コロナ禍でみんな掛け持ちを始めてるので、さらに埋まらない。。
シフトを作り始めてみんなの希望出勤日を見る時は毎回ドキドキします。
④アルバイトの無断欠勤、遅刻
時間ギリギリになっても来ないとけっこう焦ります。
シフトの時間間違えました。。
今からすぐ行きます。。。。
ならいいんですが、連絡がつかないことも…
急いで他のアルバイトに電話します。
僕は仕事のミスでは基本怒らないですが、無断欠勤、無断遅刻は怒ります。
だって来てないんだもの。。
営業できないんだもの。。
「おじいちゃんが急に亡くなりまして…」
あれ?先月も先々月も亡くなってたよね?
おじいちゃん何人いるの?
⑤バックレ
これも精神的にきます。新人が多いです。
無断欠勤からの連絡がつかなくなるパターンが多いです。
丁寧に教えて本人もやる気を見せてたのに、急に来なくなることはけっこうあります。
連絡つかないので辞めた理由も分からず仕舞いです。
全然ラインに既読がつかないと、焦って電話しちゃいます。
教えた時間返してくれよ。。
⑥人間関係
これはどこの職場でもありますね。飲食店だと特にアルバイトとの関係に問題が起こることが多いです。
多いのは、
- ・誰かをひいきしている。
- ・店長がアルバイトと不倫してみんなにバレる。
- ・シフトに全然入れない。
- ・言ったことをお互いやってくれない。
とかが多いですね。
アルバイト同士の仲違いも多いです。
あの人嫌いだから一緒に働きたくない!共演NGで!
これ結構あります。
学生はあまりないですが、主婦やおじちゃんに多いイメージです。
店によっては店長より権力が強い人がいたりします。
我が強くあたりがきつい人は手を焼きます。
おばちゃんやおじちゃんにやられて辞めた人も周りにけっこういます。
⑦休みの日に連絡
店長!料理の提供が遅れてお客さん激おこです!
助けてください!
〇〇さんが時間になっても来ません!
フライヤーぶっ壊れました!
今すぐ直してください!
泣きたくなりますね。
知るか!俺は休みなんじゃ!
とも言えないし…
休日に店から電話があると一瞬血の気引きます。(特にピーク帯)
すぐ解決できるならいいんですが、クレームとかだと店に行かないとダメな時ありますからね。
その場で解決できないことなら休みの日が一日憂鬱になったりします。
⑧数字に追われる
会社ごとに違いますが、主に売上、人件費、原価、利益ですね。
数字が悪いと頭ごなしに叱る上司もいます。
一緒に問題点を解決してくれる上司ならいいんですが…
上司ガチャを外すと上司とアルバイトの板挟みに合います。
一緒に解決する気がない上司ならさらに上に相談しましょう。
⑨給料が少ない
飲食店店員の平均年収です。
国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査(p.13)」によると、2020年度における日本人の平均年収は433万円となっています。男女別にみると、男性は532万円、女性は293万円でした。
平均年収と比較するとだいぶ下がっちゃいますね。
時給で見たらアルバイト以下じゃねーか!
ってこともあると思います。
しかも会社の業績が悪くてボーナスがなかったりすると、モチベーションは下がりまくりです。
売上や利益によってインセンティブが発生するところもあります。
⑩体力的にきつい
基本立ち仕事なので、ずっと現場に立ち続けるのは厳しいです。
重いものを持ったり動きっぱなしは身体にきます。
体力的にきついなら、出世してエリア統括などのポジションになるか、本部に行くしかないです。
だいたいの飲食店が、
一般社員→副店長→店長→エリア統括マネージャー(複数の店舗を管理)→部長
みたいな組織図になってることが多いです。
せめてエリア統括マネージャーか本部(人事、商品開発、総務など)に行けば肉体労働はぐっと減ります。
まとめ
結論、本当に仕事が好きじゃないとなかなか厳しいのが現実です。
個人的には③シフトが埋まらないがきついですね。
シフトさえ埋まれば「①残業時間が多い」、「②休みが取れない」も解決します。
他の店にヘルプに行ってエリアに貢献したり、社員業務を進められます。
あとは⑨給料が少ないのも難点ですね。
特にボーナスがない会社はぐっと年収が減ります。
残業しまくって残業代をもらいまくるのアリですが、正直身体がしんどいです。。
飲食業は楽しい部分ももちろんありますが、きつい部分もたくさんあります。
料理を作るのが好き!接客が好き!って人ならいいですが、きつい部分もたくさんあることを覚悟して働きましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた!